AI文字起こし精度の測り方|CER・固有名詞・数字の評価基準

AI文字起こしサービスを比較するとき、「精度99%」のような数字だけでは実務上の使いやすさを判断できません。句読点や空白の違い、GBとギガバイトのような表記差、固有名詞、金額などを同じ基準で評価しないと、サービスごとの得意・不得意が見えにくくなるためです。

動画AIベンチでは、文字起こし精度をStrict文字精度、Content文字精度、固有名詞・実体精度、数値精度に分けて確認します。このページでは、B01の共通音声実測を例に、評価方法と注意点を説明します。

公式情報の最終確認日: 2026-09-13 / 次回確認目安: 2026-12-12 / 確認期限内

B01で実際に出た数値

サービス Strict文字精度 Content文字精度 固有名詞・実体 数値
Notta 98.63% 99.87% 100% 100%
VEED 97.27% 99.10% 100% 85.71%
TurboScribe 92.30% 95.78% 85.71% 100%

この表が示す通り、全文の文字精度だけでは見えない差があります。VEEDはContent文字精度99.10%でも価格数字を1項目落とし、TurboScribeは文字精度が3位でも数値は7/7でした。

Strict文字精度とは

Strict文字精度は、正解原稿とAI出力を文字単位で比較する指標です。空白・句読点・字幕タイムコードのような表示上の差は除きますが、それ以外の語の違いは基本的にそのまま誤差として数えます。

たとえば、実際の発話が「ロマン」なのに「ローマン」と出た場合は差として扱います。「カズ」が「カス」になった場合も同様です。

今回のB01では、文字列の編集距離を正解文字数で割るCER(Character Error Rate)を使い、CERを割合で表した場合は100 × (1 - CER)に相当する形で文字精度を表示しています。

Content文字精度も併記する理由

文字起こしでは、意味が同じでも表記だけ異なるケースがあります。

  • 256GB / 256ギガバイト
  • 2TB / 2テラバイト
  • 364,800円 / 36万4800円
  • AirPods / 発話音「イヤーポッズ」

これらをすべて同じ重さの誤りとして数えると、実際の内容理解より低く見積もる場合があります。そのため、Content文字精度では今回の評価ルールで意味等価と確認できた表記を正規化してから比較します。

ただし、意味の異なる数字や語まで自動的に同一視しません。たとえば「1990何ドル」と「997ドル」は内容が変わるため、明確な誤認識です。

固有名詞・実体は別採点する

一般的な文章の精度が高くても、商品名やサービス名を間違えると字幕としての修正負担が増えます。そこでB01では、iPhone Duo、18 Pro、AirPods相当、Apple Watch、iPhone 18、ナイトスカイ、スターホワイトの7項目を個別確認しました。

AirPodsについては、元映像に表示された製品名がAirPodsで、発話音はユーザー確認で「イヤーポッズ」に近いと判断されたため、実体評価では両方を同一対象として扱っています。Strict文字精度では発話表面形との差を残し、実体評価では意味が取れているかを分けて見る設計です。

数字は文章精度より厳しく見る

動画では価格、容量、日付、割合などの数値ミスが特に危険です。今回のB01では7項目を別採点しました。

VEEDは本文全体のContent文字精度が高かった一方、「1990何ドル」を「997ドル」と認識しました。文章全体では数文字の差でも、価格情報としては意味が大きく変わります。

このため、動画AIベンチでは文字精度だけで「十分正確」と結論づけません。

正解原稿の作り方

B01ではNotta、TurboScribe、VEEDの3社へ同じ130.760秒の音声を入力しました。3社で一致した大部分を候補原稿へ統合し、相違が大きかった5箇所は元音声を聞いて人が確認しています。

確認したのは「カズ」「イヤーポッズ」「ポチポチってやると」「1990何ドル」「ロマン」です。

なお、この正解原稿は全文を人がゼロから逐語書き起こしたものではありません。3社の一致部分を活用したうえで曖昧点を人が確認した方式です。この制約は結果記事でも明記します。

B01では速度ランキングを出さない

今回、3サービスの処理開始から完了までの時間を同一条件で計測できていません。また、完成字幕までの人手修正時間も揃っていません。

そのため、処理速度や「何分で修正できたか」のランキングは作りません。測っていない値を0秒として扱うこともありません。

速度や長尺性能は、検索需要や収益性から追加検証の価値が確認できた場合だけ、別実測で条件を固定して確認します。現時点では追加課金を伴う長尺B02は保留です。

同じ日本語音声で比較したB01の実測結果を見る

この評価方法の限界

B01は130.760秒の1サンプルです。話者、録音環境、雑音、BGM、複数話者、専門用語、話速が変われば結果も変化します。

そのため、今回1位だったサービスを「常に最も正確」とは表現しません。短尺の自然な日本語音声における1回の同条件テストとして扱い、必要性が確認できた場合だけ別条件の実測を追加します。

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公式情報

  • Notta料金・機能: https://www.notta.ai/pricing
  • TurboScribe無料文字起こし: https://turboscribe.ai/ja/u/transcribe-for-free
  • VEED Auto Subtitle Generator: https://www.veed.io/tools/auto-subtitle-generator-online
  • 公式情報確認日: 2026-09-13